2014年3月21日金曜日

エスカレータ

長男は下りのエスカレータを上りたいのだが、
そんなことは許されないし、危ない。
そうして一悶着、
彼は激しい癇癪を起こして泣き叫びながら地面に突っ伏してしまう。
外出するたび、このようなトラブルが必ず数回ある。

彼が普通の子だったら、毎日どんなに楽だろう。
だが普通の子だったら
今回育休を取ることもなかっただろうし、
そうすると僕は自分にとって決定的に重要なことを
知らないままでいただろう。

泣きじゃくる息子の傍らに座り込んでいると、
エスカレータを降りてきた初老の女性が覗き込むようにして、
「いつかわかってくれますよ」
と、声をかけてくれた。