発達支援デイサービスは本来親子分離だが、
いきなりは無理なので、当面同伴で参加する。
火曜と金曜、午前9時から午後1時まで。
早く分離して楽をしたいが、事を急いでトラブルになるのも怖い。
走り回っている長男を何とか椅子に座らせようとするけれど、
いつまでもうまくいかず、つい声を荒げてしまう。
長男があああと叫びながら玄関へ逃げる。
追いかけて引き留めると、下駄箱から靴を取ってこちらに投げつける。
カッとなって頭をはたくと、火が付いたように泣いて突っ伏す。
先生が来て、息子の背中をさすりながら
「大丈夫大丈夫」
何が大丈夫なのだろう?
「お父さん、靴を投げるのもひとつの意思表示です。
何も表示できないよりずっとマシです」
「叩いてしまいました。いけなかったですよね」
「それは仕方無いですよ。悪いものは悪い」
昼食時、妻が詰めた弁当を食べさせる。
塩昆布をのせたごはんと卵焼き。これしか食べない。
隣の子を見ると、具の無いケチャップライスだ。
あれよりはいい。
スプーンを三回ほど口に運んだところで、席を立って遊び出す。
先生がすぐに
「青くん、もうごちそうさま?」
反応が無いと
「はい、ごちそうさまね。お父さん、お弁当しまってください」
「戻ってきたらまた出しますか」
「いえ。席を立ったら食事はおしまいです」
あとは泣こうが喚こうが覆らない。
厳しい。
ところがその厳しい先生たちに、
長男が急速に心を許しつつあるのがわかる。嫌でも。
時折見せる花のような笑顔、
あれを私に向けることはない。
心穏やかでいられない。
何が違うのか。